農業に携わる すべての人を笑顔に

GAP・ITサポート合同会社

代表

佐久間 輝仁

「良い農業のやり方」を普及するITの専門家

【農業に携わるすべての人を笑顔にする】…そんな想いで活動しているのが、GAP・ITサポート合同会社の代表、佐久間輝仁さんです。大手IT企業からキャリアをスタートし、青年海外協力隊でブータンに赴任。その後は農業分野に身を投じ、GAP(Good Agricultural Practice:良い農業のやり方)の普及とIT導入支援を軸に、農場を「見える化」する仕組みづくりを続けています。

仕組みこそ農業の伸びしろ

大学卒業後、新卒で入社したのは大手システム開発の会社でした。どのようにして農業に関わるようになったのでしょうか。「最初は、システムエンジニアとして働いていました。その後、海外で働くことに興味が出るようになり、青年海外協力隊としてブータンに派遣されました。そこで停電やインフラの脆弱さを肌で体験して、ITは便利だけれど“なくても生きていける”と気づいたんです。そこから“生きていくために必要な仕事”をしたいと、自分の仕事自体を根本から考えるようになり、そこで農業に関心が移ったわけですね」

帰国後は農事組合法人に自ら履歴書を持ち込み、その場でIT推進を提案して採用されたというエピソードも印象的です。「記録は手書きやFAXが中心だった当時の現場に、ITの仕組みを持ち込んだかたちです。現場が着実に改善していくさまを見て、まだまだ日本の農業でできることがあると確信しました」

その後、ご縁があって日本GAP協会に出向・転籍。「これまで農業のIT化が進まなかったのは、仕組みがなかったからだと気づき、「GAP=よい農業経営の仕組みづくり」が日本農業の変革のカギと捉えるようになりました。そして2020年にGAP・ITサポート合同会社を設立し、GAP導入とIT導入の両面から農業経営の仕組みづくりを支援しています」

 家業から事業への転換を支える

現在のメイン事業は現場での研修だと語る佐久間さん。「まずはGAPを知ってもらう、そして関心を持った人には導入支援を行います。さらに農家ではなく、農業経営者として経営してもらうことを後押ししています。つまり「家業から事業」という転換ですね。農業経営の仕組みを作ることが雇用を促進し、規模拡大や新たな挑戦につながります」

【GAPとITで農場を見える化し強くする】…これがGAP・ITサポート合同会社のスローガンです。「農業において大切なのは、食品安全や環境保全、労働安全といったルールをつくり、それをきちんと実行し記録に残すこと。GAPはその仕組みを整えるための有効な手段なんです。そしてITを組み合わせることで、その記録や情報をいつでもどこでも共有できるようにする。これによって経営判断が迅速にできるようになります」

農業界から新しいヒーローを

佐久間さんは今後、日本の農業を家族経営から企業経営にシフトさせたいといいます。「これから農業は大きく変わります。その転換期に、多くの成功事例、業界にとっての新しいヒーローを生み出すことが、私の役割だと考えています。だからこそ、私は農業経営者の自立を支援するスタンスでいます。“農業経営者のすぐ横にいるIT専門の伴走者”ということですね。もちろんそのために私自身も、ITの進歩に並走できるよう、日々学び続けています」

ITと農業、一見離れた世界をつなげ、仕組みづくりで農場を強くする…その先にあるのは【農業に携わるすべての人を笑顔にする】というシンプルで力強いビジョン。佐久間さんの歩みは、長き歴史を持つすべての産業の課題に向き合う多くの人にとって、まさに良きベンチマークとなる存在です。

「進む道は人それぞれですが、どんな環境にも学びがあります。大きな組織では仕組みや規模を学び、小さな組織では自分の力で切り開く経験ができる。大切なのは“みんな違ってみんないい”という視点を忘れず、自分の道で行動し続けることです」

GAP・ITサポート合同会社

代表

佐久間 輝仁

千葉県出身。東洋大学経営学部を卒業後、富士通金融システムズでATM開発に従事。青年海外協力隊としてブータンに派遣。帰国後は農事組合法人でIT推進に携わり、日本GAP協会や認証機関で研修・審査業務を経験。2020年にGAP・ITサポート合同会社を設立。農業経営の強化と持続可能性に尽力している。
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