挑戦は 喜びだ

CYBERDYNE株式会社

代表取締役社長/CEO

山海 嘉之

人とテクノロジーが共生する社会を実現する男

人とテクノロジーが共生する社会をつくりたい…そう語るのは、CYBERDYNE株式会社代表取締役社長の山海嘉之さん。筑波大学教授として研究を続けながら、2004年に同社を設立し、世界初の装着型サイボーグ「HAL®」を世に送り出しました。医療・介護・災害支援など幅広い分野で活躍するこの技術は、日本発の革新として世界に広がりつつあります。

「悩んだら、やめなさい」という一見厳しい言葉は、山海代表が大切にしてきた信念を端的に表しています。悩むよりも、まず動く。その先にこそ新しい社会を切り開くチャンスがあるという思いが込められています。

市場を創り出す

山海代表が最初にHALを研究していた頃は、まだ医療機器としての規格も存在しませんでした。山海さんは少し笑みを浮かべながら、当時を振り返ります。「当時は、いうなれば“ノープロフェッショナル・ノーマーケット・ノーユーザー”の状態でした。制度も、市場もなかった。でも『なければ創ればいい』と思ったんです。規格がなければ国際標準をつくり、ユーザーがいなければ治験を重ねて証明する。ゼロから道を切り拓くこの姿勢が、CYBERDYNEの原点となったと思っています。やがてこの研究は、ISO(国際標準化機構)を動かすまでにいたりました。今やHALは、現在進行系で、革新的な医療機器として世界で認められてきている状況です」

自力で歩けるために

そんなCYBERDYNEの中心事業は、装着型サイボーグ・HALを活用したサイバニクス治療。「これは人が体を動かそうとしたときに筋肉へ伝わる微弱な信号をセンサーで読み取り、本人の意思に沿って動作をサポートする技術です。つまり単に動きを補助するのではなく、神経や脳のつながりを強化し、機能改善や再生につなげていくこと、これこそが大きな特徴です。大事なのは、HALを外した後に本人が自分の力で歩けるようになることですから」

 

そして医療だけでなく、介護や工場での作業支援、災害時の復興活動など、幅広い現場で活用が広がっています。さらに近年は、マレーシアでの大規模なサイバニクスセンター建設や、米国での医療施設展開など、グローバルに社会実装を加速させています。

つねに“出口イメージ”を描け

「私はつねに“出口イメージ”を描いています。研究も経営も、最終的に人や社会にどう役立つかを常に考える。だからこそ、どんな苦労も苦痛ではなく、挑戦そのものが最終的に喜びになるんです。医療と非医療の垣根がなくなり、家庭・職場・地域がシームレスにつながる社会…その中心で、人とロボット、情報技術が共生する「テクノピアサポート社会」を実現することこそが、私の夢です」

 

最後に山海代表から、こんな言葉をいただきました。「生きがいは、人や社会に喜んでもらえることをする中で自然と見つかるものです。私は子どもの頃からずっと、その思いに突き動かされています。悩んで立ち止まる時間があれば、まずやってみる。失敗してもそれは“発見”ですから落ち込むことはありません」

 

悩むより一歩を踏み出す。その姿勢こそが、CYBERDYNEが世界に示す最大のメッセージなのかもしれません。

CYBERDYNE株式会社

代表取締役社長/CEO

山海 嘉之

1958年岡山県生まれ。筑波大学大学院工学研究科博士課程修了後、同大学教授に就任。2004年CYBERDYNE株式会社を設立し、世界初の装着型サイボーグHALを開発。2014年東証マザーズ上場、2015年医療用HALが薬事承認。現在も研究者・経営者として第一線で活躍している。
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