すべての人の夢を 応援する会社へ

山本建設株式会社

代表取締役社長

山本 陽子

180年続いている農家から生まれた建設会社?!

茨城県稲敷市。利根川と新利根川に挟まれた広大な田園地帯に、創業80年を迎える「山本建設株式会社」があります。代表を務めるのは、3代目社長の山本陽子さんです。農業と建設という一見異なる分野を行き来しながら、地域の暮らしと土地を守り続けてきた山本建設。ガーデニングイベントへの出展や低農薬米の生産など、活動の幅は多岐にわたります。「土いじりが好きだから」と笑う山本さん。その言葉の通り、土と人、そして地域への深い愛情が会社の根幹にあります。

創業80年を迎える今年、山本氏が見据えるのは「次世代の育成」。若い世代に技術を継承していくという強い決意を語ってくれました。

ひと声から始まった80年の歴史

創業のきっかけは、なんとおじいさまの“ひと声”からだったそう。「もともとうちは180年続く稲作農家でし新利根川で続いていた氾濫の対策として行われていた護岸工事が始まった当時、私の祖父が工事に来ていたゼネコンの方に、“何か仕事あるかね”と、声をかけたのがきっかけで、家族や土地を守るために、始まったのが建設業です。田んぼをやっていたから、土の性質が分かる。川の法面(のりめん)にどんな土を使えば流れないか…そういう経験が生かされたんですね。山本建設は、祖父から父、そして私へと受け継がれ、約80年もの間、地域の河川工事や道路整備を担ってきました。一方で、江戸時代後期に行われた新田開発のタイミングから180年以上続けている稲作も、現役です。高齢化で耕作をやめた近隣農家の田んぼを引き継ぎ、現在では約40町歩、80枚以上の田んぼを管理しています。正直“ついで”どころじゃないですね。どんどん田んぼが増えています…(笑)」

社長を継がれたのは、思いがけない経緯だったと言います。「もともと夫が継ぐ予定だったんです。でも当時は“社長と現場代理人を兼務できない”という規制があって、仕方なく私が社長になりました。夫は現場が好きで、私は営業が好き。結果的には、分担できてよかったですね。39歳で社長に就任しました。案外、やってみたら楽しかったんです。経営者って、責任は大きいけれど自由もある。営業でいろんな社長さんと話を聞けるのも楽しい。やっぱり人が好きなんでしょうね」

一方で、経営者として最も大変だったのは、事故でした。「社員が事故を起こしてしまった際、その社員のメンタルケアやサポートに全力を注ぎました。その人を助けなくちゃいけない。やってしまったことに対して、家族も会社に謝罪に来て、ずっと支えてきました。でも乗り越えると、それも一つの学び。人に伝えていくことができるようになるんですよ」

次の世代を育成したい

現在、山本建設では大きな転換期を迎えています。これまでベトナムからの技能実習生を受け入れてきましたが、来年からは新卒採用に力を入れていく方針です。「技能実習生の方の多くは、母国で活躍するという夢を持っています。ゆくゆくは海外展開時のパートナーとして提携していきたいですし、しっかりと技術を教える覚悟です。その傍ら、弊社の未来を支える次世代の若者も育てなければならない。娘も2年前から会社に戻ってきてくれました。会社全体でこれからの世代が育つ土壌をつくっています

背景には、建設業界全体が抱える深刻な人手不足がありました。「工業高校の就職説明会に参加したこともありましたが、そのとき最も人気があったブースがチョコレート工場だったのが衝撃でしたね…。昔は時給500円の時代に建設業が1,000円を提示できて、人も集まった。でも今は最低賃金と変わらず、コンビニや工場の方が残業もできて、暑さ寒さもなく働ける。そっちに流れてしまうんです。でもだからこそ、私は給料を上げて日本人を採用していきたい。技能実習生には日本の技術を教えて、母国に帰って会社を持ってもらうことを応援してます。でも反対に、日本の技術力は減ってきてるんです。少しでも、若い世代に技術を継承していきたい」

すべての人の夢を応援する会社へ

山本建設では、社員の誕生日にはケーキをプレゼントし、なんとご家族の誕生日にもケーキと花を贈っているといいます。いい夫婦の日には結婚している社員全員にケーキを配る。若者が増えなければいけない、という思いから、結婚を応援する取り組みも行っているのです。「一人ひとりがやりたいことがあると思うんです。そこに向けて応援しながら、何と言っても社会貢献っていうことを大切にしてほしい。どの仕事に対してもそうだと思うんですけど、道路って誰もが通るところだし、家は人が住む場所じゃないですか。人に優しく、人のためにできる会社を作っていきたいんです。そういった志を持つ方たちを応援していけるような会社にしていきたい。やりたいと思うこと、一つでも見つけてもらえたら、本当にうれしいですね」

180年続く農家のDNAと、80年の建設業の歴史。そして「土いじり」という一本の軸で繋がった事業の数々。山本陽子氏が率いる山本建設株式会社は、地域に根ざし、人を大切にしながら、次の世代へと技術と想いを継承していこうとしています。

山本建設株式会社

代表取締役社長

山本 陽子

180年続く稲作農家の家系に生まれる。専門学校卒業後、会計事務所に7年間勤務。将来的に家業の経理を担当するつもりで、27歳の時に家業である山本建設株式会社に入社。経理を担当しながら営業活動にも従事し、39歳で3代目代表取締役社長に就任。創業当時から土木工事で地元インフラを支え続けてきた建設業に加え、趣味のガーデニングで渋谷のガーデニングコンテストにも出展するなど、「土いじり」を軸とした幅広い事業展開を行っている。
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